【MediaZine】迷える入社2年目が藁にもすがる思いで『入社2年目の教科書』著者にガチで人生相談

株式会社イードでは 21ジャンル52メディア(※)にものぼるニュース・コンテンツメディアを運営しています。情報の1次ソースとして、読者はもちろんのことポータルサイトやニュースキュレーションメディアに記事を配信、尚且つサイトごとに高い専門性を持ったニュースを取り扱っていることが特徴です。
※2019年3月現在

「MediaZine(メディアジン)」では、メディア運営に携わるビジネスパーソンの裏側に迫り、メディアを用いてどのようなプロモーションが可能か、目指したい世界観はどこなのか、といった内容をお聞きします

10連休と大型の休みとなったゴールデンウィークも終わり、世の中も徐々に動き出しました。かくいう弊社も入社した6名の新入社員の配属も決まり、会社全体が仕事モードに切り替わってきています。今回、新入社員も入り先輩となった弊社2年目女子が、今年2月に発売された若手ビジネスマン向けのメソッドが詰まった『マンガでわかる!入社2年目の教科書』(ぱる出版)の著者である福山敦士氏にインタビューを実施。2年目ならではの相談はもちろんのこと、この先会社で働く上で気をつけたいことをお伺いしました。

株式会社イード入社2年目:新井美咲

―――本日は宜しくお願い致します。早速なのですが、1年間働いてきてそれなりに業務はこなせるようになってきました。ただ、「このままでいいんだっけ…」とふと思うことがあります。このままでいいのでしょうか…?

福山 敦士(ふくやま あつし)氏:株式会社ショーケース 取締役 新卒でサイバーエージェントに入社。25歳でグループ会社の取締役に就任。独立後、株式会社レーザービームを創業。事業と会社をそれぞれ売却し、現在に至る。

福山氏:会社の目標以外に「人生の目標」を決めましょう。世の中的に会社や事業の寿命は短くなってきていて10年続く会社やサービスはどんどん珍しくなっています。一方で私達人間の寿命は伸びてきています。
会社の目標達成を目指した先に、自己実現の画が見えるかどうか、一度考えてみてはいかがでしょう。どうせ仕事をするのであれば会社の目標と「人生の目標」が重なっている方がお互いにとって得ですよね。ビジネスでは、お互いwin-winであることが大切です。ビジネスを継続的に発展させるうえで、自分の会社、お客さん、世の中、そして自分と、それぞれがメリットを享受し合える座組みや意味付けをすることが必要です。会社をうまく利用してほしいです。

―――「人生の目標」を立てていくのが大切ということですか?

福山氏:別々で立てる、というのが大切ですね。そして摺り合せていく。自分が目標達成すると会社の目標も達成できる、会社の目標を達成すると自分の人生の目標も達成できる、という形になると一番ステキです。その意味で戦略的に「会社の目標=人生の目標」と一致させる時期があってもいいと思います。目標設定自体、一朝一夕ではできないので、目標設定自体でPDCAを回していく必要はあります。目標設定に時間をかけるべき!

―――会社の目標とかは「売上○○円!」とか「何件受注」とかイメージしやすいのですが、「人生の目標」と言われてしまうとなかなか悩んでしまいます。特にやりたいこととかもないです。

福山氏:そんなときは「なりたくない自分」を明確にしましょう。なりたい自分があればベストですが、やっぱり難しいことだとは思います。ここでは2つアドバイスがあります。ひとつは「なりたくない自分から逃げるように頑張りましょう」ということ、もうひとつは「なりたい人を目指す」ということです。
「なりたくない自分」は言語化がしやすくて、「ああいう風になりたくないなぁ」とかってすぐイメージ沸きますよね。美味しい料理や面白い映画を見たときなど「何が良かったのか」って言語化しにくいと思うのですが、美味しくなかった料理や退屈な映画などは「ここが悪かった」「ここが微妙だった」と言語化しやすかったりします。逆にポジティブなことや未来なことって結構言語化しにくい。

―――やりたいと思えることがない人ほどこの考え方は良いかもしれません…(メモっとこ)。

福山氏:もうひとつは「なりたい人を目指す」ということです。憧れの人や自分より先にいっているな…という人を明確にして、そういった理想の人に近づいていくにはどうしていけばいいのか、というのを考えることですね。

―――福山さんが今憧れている人とかいますか?(上場企業の役員だし、いなそうだなぁ)

福山氏:福沢諭吉先生です。将来的に1万円札に印刷されたいです。紙幣のデザインに選ばれる理由って「知名度」ではなくて「何をやったのか」というストーリーの部分だったりします。だいたい20年周期で紙幣デザインが変わる。そして、誰にするかを決めるのは財務省。これって営業活動と一緒だな、と。決裁者がいて実施時期が決まっていて、決裁権者が納得できるストーリーがあればいい。ここを目指している人って多くないみたいで、自分も1万円札の顔に選ばれるくらいの活躍をしようと決めています。
具体的には、ビジネスで日本に貢献することはもちろんのこと、教育を進化させるべく、教科書作りに参画したり、学問自体をつくることをしたりと、日本の発展のために尽力しています。福沢諭吉先生、渋沢栄一先生は、それぞれ生まれてから約150-180年後に選ばれているので、100年後以降の日本の状況から逆算して、自分が死んでしまったあとも世の中に残るような何かを作ることを意識しています

―――なるほど…。

福山氏:また「憧れの人」というわけではないですが、SNSで友達の活躍をみていて「悔しいな」「この人すごいな」というシーンってあると思うんですね。その体験もヒントになったりします。

―――でも私はそういう人たちと性格も考え方も違うし、私は「私のやり方」があるような気がします。

福山氏:その感情ってとても大事で、裏返すと「悔しい」とか「先にやられた!」という感情だと思うんです。この嫉妬のような感情を深掘ると、「自分も本当はそうなりたい、でもなれない」だったりします。つまり、自分がなりたい姿や、やりたいことのヒントだったりするわけです。この感覚は大事にしてほしいです。嫉妬を愛しましょう!

―――目標設定の仕方も分かりません。

福山氏:テンションが上がる目標をおきましょう。「TOEIC800点」みたいな目標でも別にいいんですが、そこに対してワクワクできるかどうか。「秘書検定を取る」を目標に置いたとしても自分のテンションが上がらないと効率悪いですね。テンションがあがらないことに対しては成長スピードも半分になるし、逆にテンションが上がることは達成スピードがめちゃめちゃ早くなります。「私めっちゃ秘書向いてるわ。秘書検定とって、日本一の秘書になったるわ!」くらいのテンションになれる目標を見つけていけるといいです

―――自分に向いていることとか強みも分かりません。

福山氏:周りから「すごいね」と言われるようなこと、だけど自分からしてみれば「いやいやフツーだし」が強みです。普通に字を書いていて「字キレイだね」と周りに言われればそれは強みですし、自分はお客さんとたのしく話をしているだけなのに「コミュニケーション能力高いね」と周りに言われれば、それも強みです。この強みの部分は自分では結構気づきにくいです。上長や周りの人に強みを聞いて回ってみましょう。その強みに準じた目標設定を立てていきましょう。

―――できることをやってたほうが楽そうです。

(こんなこと言ってたら上司に怒られるかな…)

福山氏:そうですよね。そのほうが傷つかないと思います。でも傷つかない目標は、ただの現状維持です。例えば入社後だいたい5年くらいでマネージャーになれる会社があるとします。その会社で「5年後にマネージャーになります!」と言ってるのは、20歳の人が「あと10年かけて30歳になります!」と言ってるのと同じですね。そりゃなるけど、という。その速さでいいんだっけ、と。多少、身の丈に合わない目標を置いたとしても、そうすることで初めて成長角度がでてくると思います。

―――ちょっとストイックかもしれません…

福山氏:目標の高さが高すぎると人によってはプレッシャーになると思うので、その場合は距離を遠くにしてみましょう。メディアで言えば、「10年、20年続くサービスにする!」とか「50歳になっても現役で働く」と言ったように「長さ」を伸ばしてみるのもいいと思います。
野球選手でも「年間ホームラン30本期待しているよ!」と言われるとプレッシャーに感じてしまう人にも「引退までにホームラン100本目指してみよう!」と言うと、「あ、確かに。それならできるかも」みたいになったりします。高さが怖いときは目標の時間軸を長くしてみるのもいいかもしれません。

―――まだ2年目だしなぁ…

福山氏:社会人2年目かもしれないですが、人生24年目ですよね!ベテランですよね。卑屈になる必要はなし。新入社員も一緒です。

―――2年目になったばかりだと「頑張ろう」というよりは、「この先どうする自分?」みたいな考えがあって周りを見ちゃったりするのですが。

福山氏:どうしたら評価してくれるのか?(どうしたら給料があがるか/どうやれば出世できるか)を会社と上司と握っておくのがものすごく大事だと思います。

―――立場とか上がっていくと仕事量とか増えていくと思うのですが、どうやってタスク処理しているのでしょうか

福山氏:いまだに終わらないですよ(笑)。「今日のタスクすべて完了!」と思って、帰宅したことはないですね。立場や役割が変わっていくほど、やらないといけないことの量は増えていきます。大切なのは優先順位をどう決めるか、ですね。

―――後輩も入ってきて、2年目になったのですが、会社から見ると2年目ってどういうポジションなのでしょうか。どうあるべき、とかありますか?

福山氏:「いつでも新人の気持ちでいてね」と。2年目に限らず「分からないことは分からない」と言いましょう。「こんなこと新人の時しか聞けない」なんてことは無いと思います。先輩とか上司から何度も同じ話をされた時でも「またいつもの話か」ではなくて、「何度もありがとうございます」という気持ちを持てるほうが絶対に強くなれます。反復は成長のエンジンなので。

―――とは言っても、後輩もできたし、周りとの付き合い方とかもあると思うのですが。

福山氏:僕が新卒の時とかも下から突き上げられてましたね。「福山さん、こんなことも分からないのですか?」とか「プロジェクトマネジメント全然できてないですね」とか言われてました。後輩のことを下とか思っていなかったので、結構素直に「ああ、そうなんだ。やり方教えてください」「タスクの分解の仕方を教えてください」といった風に聞いたりしましたね。

―――イライラしたりしませんでしたか?

福山氏:うーん…。イラッとする瞬間とかあったりはしましたけど、そんな余裕もなかったですね。イラっとするのは、プライドが高い証拠だと2年目くらいで気付き、自分自身の高いプライドを受け入れることにしました。どうせ年取れば下から突き上げられますし、追われる立場になります。「追い越された」とか「負けた」という感情はぐっと堪え、「すごいですね!でも、負けないです」と青春ドラマのように前向きに振る舞う努力で、自分の高いプライドを守っていました。

―――変に先輩ぶらない、ということですね!

福山氏:そうです!でも、「先輩ぶらない」と伝わらないこともあるので言い切るときはきちんと言い切ること。同じミスの指摘などはそうですよね。「私もたくさん同じミスしてたよ」と言いたくなるのですが、それを聞いて「あ、同じミスしてもいいんだ」と思われてしまうケースもあるので。ミスの指摘をされる後輩のためにもならないですね。教えるティーチングと引き出すコーチングの使い分けは大切です。特にティーチングの部分は「先輩ぶる」ことは大切です。

―――自分1年目なんですけど。この本読ませて頂いたんですけど、この本に書いてあること以外で1年目やったことがいいことってありますか?

横から入ってくる株式会社イード新卒:土田敦也

福山氏:やっぱり「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」ですかね!「「ホウレンソウ」を求める上司が無能だ」、という話もありますが、メンバーの成長も考えると「ちょっと今いいですか!」と上司にきちんと「ホウレンソウ(特に相談)」ができることが大切です。

―――「ホウレンソウ」は2割/5割/8割のタイミングで出すのが大切、と本に書いてありましたが、そもそも自分新卒なんで10割が分かりません。

福山氏:上司に完成形のアウトプットを見せてもらうのが一番早いですよね。もしくは「こう進めて、こういう形のアウトプットにしようとしているのですが、合ってます?合ってないなら完成形教えてください!」と聞くことですね。上司の時間をとことん使うべき。何度も相談すると「こいつ使えないやつだと思われないかな…」と勝手に考えて、聞けなかったりするのですが、そこで変なプライドを持たないほうがいいですね。結構みんな遠慮しますよね。

―――いや、僕は「今、いいすか?」ってすぐ聞けるタイプですね。

福山氏:素晴らしい!

(土田)褒められたぜ…!にやにや

―――最後に、私含めた連休明けで「仕事大変だなぁ…」と感じている若手に対してメッセージがほしいです!

福山氏:戦略的に休みましょう!社会人になると、土日が休日になることが多いですが、それは会社の休日であって、自分自身の休みにする必然性はありません。無理に他人のペースと合わせず、自分なりのペース配分を理解するためにも、休み方に戦略が必要です。自分なりの回復方法、自分なりのリフレッシュ術などです。たとえば「ゴールデンウィークはどこに行っても混むから、そこを外して旅行に行く」なども一つの工夫ですよね。

特にtoCのサービス事業者であれば、「顧客の視点」ってとても大切です。「映画を見て感動した」「ゲームして楽しかった」というような生活者視点を忘れないように、戦略的にオフィスから離れてみましょう。

―――ありがとうございました!実践していきます!

2年目の悩みに真正面から相談に乗ってくれた福山氏。『マンガでわかる! 入社2年目の教科書』は仕事に悩む若手ビジネスパーソンにおすすめの一冊です。

またインタビュアー新井、土田と一緒にお仕事をしたい方はアドナビよりご連絡ください!(どこでも行きます)。

<書き手:メディア事業本部 副本部長 森 元行>