年頭所感2019

謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

2018年は、平昌オリンピックが開催され多くの日本人選手がメダルを獲得、ノーベル医学生理学賞を本庶佑氏が受賞するなど、国内のみならず海外での日本勢の活躍が目立つ1年となりました。一方で、さまざまなデータや文書の改ざん、大学の不正入試問題など、今まで表に出ていなかったことが次々と暴かれていき、世間は驚きを隠せませんでした。

インターネット業界に置いても、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)が日常生活にも普及し、アマゾンが提供する「Echo」やグーグルが提供する「Google Home」といった音声スピーカーも徐々に各家庭に浸透しています。またメルセデス・ベンツが提供する「メルセデス・ベンツ・ユーザー・エクスペリエンス」(MBUX)のように、音声だけで音楽やナビをセットしたり、サンルーフを閉めたりするなど車に指示ができる機能を積んだ自動車なども登場し始めました。Fintech(フィンテック)についても、仮想通貨の人気は落ち着きを見せていますが、ブロックチェーンを活用したサービスはこれからまだまだ登場することが予想されます。ビジネスにおいてもRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)が徐々に普及し、各作業の自動化・効率化を進める動きが各社で行われはじめ、これにより生産性が高まる動きが期待されます。

イードでもブロックチェーンを活用したゲーム領域のトークンエコノミーを構築Maas(Mobility as a Service)促進のひとつとしてカーシェア向け「バーチャルキー」の商品開発を行うなど、次世代を見据えた活動を行ってまいりました。メディアを見てみても、各媒体が過去最大ページビュー数を更新、読者と声優を繋ぐイベントを行ったり、バーチャルレポーターインサイドちゃんが日本国内だけでなく、海外取材まで行ったりと、新たなビジネスの種を着々と見つけ、育てています。

2019年からは「不確実性の時代」に突入すると予想されます。いままでは「リスクの時代」でした。逆に言うとリスクは定量化されているので、ある程度対応可能な部分があります。しかし「不確実性の時代」では何が起こるのかが分かりません。恐らくこの流れは2020年頃まで続いていくでしょう。

自動車業界ではMaaSやCASEが登場し、アニメ・映像業界ではNetflixやAbemaTVなどの台頭により視聴者のウィンドウ(デバイス)が変化し、教育現場ではICT教育やプログラミング的思考の育成が進められ、通信領域では超高速・超低遅延の通信システムである「5G」回線の整備が進み、マネー領域ではキャッシュレス決済が普及されるなど私達を取り巻く環境も日々変化していっています。

そのように目まぐるしく環境が変わるからこそ私達は、読者の皆様に深い体験(User Experience)を届けられるようなメディア作りを続けていきます。「1万人に読まれるものより、1人の人生を突き動かすようなコンテンツを」。これが私達の作るべきメディアの姿ではないかと考えています。

「Move Deeper」(もっと、深く)というコンセプトを軸に、環境や世の中の景気に左右されないような地に足をつけたメディア作りを進めるとともに、新しいビジネスモデルの構築も同時に行ってまいります。一歩づつ着実に進み、この不確実性の時代に年輪を重ねるように成長できるかどうかが大切だと感じています。

個人の趣味趣向がさらに細分化されていく中でイードメディアは「高い専門性を持ったNo.1メディアと最先端のテクノロジーで人々の生活を豊かにする」というビジョンに向かって2019年も走り続けていきます。

今年もイードメディアをどうぞ宜しくお願いいたします。

<書き手:メディア事業本部 副本部長 森 元行>