年頭所感2020

謹んで新年のご挨拶を申し上げます。旧年中は格別のご厚情を賜り、心より感謝申し上げます。

2019年は元号が「平成」から「令和」に変わり、文字通り新時代がスタート。「令和」の出典は日本最古の和歌集「万葉集」からの引用と言われていますが、初めて日本の古典からの元号の出典となったそうです。

また、日本のみならずアジアで初めての開催となったラグビーワールドカップ2019では、日本が初めてのベスト8入りを果たし、日本全体が活気に満ちていました。他にもバスケットボールの八村塁選手がNBAドラフトで一巡目指名を受けたり、テニスでも大坂なおみ選手がテニス全豪オープンで優勝を果たすなど、日本勢の海外での活躍も多く見受けられました。

一方で、危険運転事故の多発や京都アニメーションの火災事件など、他人事とは思えない危機も多く起きた一年となりました。

インターネット業界に置いても「GAFA/BAT」の日本での存在感は引き続き大きく、そこに対抗すべく、ヤフーによるZOZOの買収、そしてヤフーとLINEが経営統合を行い「ヤフー/LINE」連合で世界で戦っていくためのファイティングポーズをとっています。

イードでも、学研プラスから「アニメディア」等のアニメ関連事業を取得し、日本最大級のアニメディア郡の形成や、”良い習慣”を身につけるためのSNSアプリ「myRule(マイルール)」をリリース、メディアの音声化、音声コンテンツにおける広告プラットフォームの開発を進めたりと新しいチャレンジを行い続けた年となりました。

昨年に引き続き、2020年は「不確実性の時代」(VUCA時代)に突入すると予想されます。いままでは「リスクの時代」でした。逆に言うとリスクは定量化されているので、ある程度対応可能な部分があります。しかし「不確実性の時代」では何が起こるのかが分かりません。厳しい環境が​新常態(ニューノーマル)になっていくでしょう。

超高速・超低遅延の通信システムである「5G」回線の整備が進むにつれて、自動車業界ではMaaSやCASEの活用がさらに加速し、アニメ・映像業界ではNetflixやYou Tubeなどに視聴者のウィンドウ(デバイス)の変化がより顕著となるでしょう。ゲーム機を必要としないApple ArcadeやGoogle Stadiaなどのクラウドゲーミングでゲームを楽しむユーザーもではじめ、教育現場ではICT教育やプログラミング的思考の育成が更に進み、プログラミング的思考を持つこども達も数多く登場することでしょう。

そのように目まぐるしく環境が変わるからこそ私達は、読者の皆様に深い体験(User Experience)を届けられるようなメディア作りを続けていきます。「1万人に読まれるものより、1人の人生を突き動かすようなコンテンツを」。これが私達の作るべきメディアの姿ではないかと考えています。

「Move Deeper」(もっと、深く)というコンセプトを軸に、環境や世の中の景気に左右されないような地に足をつけたメディア作りを進めるとともに、新しいビジネスモデルの構築も同時に行ってまいります。一歩づつ着実に進み、このVUCA時代に年輪を重ねるように成長できるかどうかが大切だと感じています。あらゆる角度で考えを巡らせ、さまざまな人たちと議論をしていく必要があります。「脱皮できない蛇は滅びてしまう」のです。

個人の趣味趣向がさらに細分化されていく中でイードメディアは「高い専門性を持ったNo.1メディアと最先端のテクノロジーで人々の生活を豊かにする」というビジョンに向かって2020年も走り続けていきます。

今年もイードメディアをどうぞ宜しくお願いいたします。

メディア事業本部 副本部長 森 元行