出会いがあれば別れもある、というのは使い古された言葉ですが、どのような企業にも必ず起こり得ることです。縁あってイードに入社後、自らがより活躍できる新天地を見つけたOB/OGを尋ねる本企画、「イードのソトウチ」。
第二回は、高校生の頃からメディアを志し、イード、産経デジタル、ハフポスト日本版とメディア業界を渡り歩いてきた中田真弥さん。イード在籍時にはRBB TODAYの広告営業を担当、部署間の垣根を超え新規商材の開発・販売に奔走した「イードの内側」をよく知る中田さんに、「外から見たイード」、「メディアで働く楽しみ」を伺いました。
※新型コロナウイルスの感染防止に伴うテレワーク実施により、本インタビューはテレビ会議にておこないました。
—中田さん、本日はよろしくお願いします!まずは中田さんのことについて教えて下さい。
中田さん:イードを離れた後は産経デジタルで2年ほど記者を経験し、現在はハフポスト日本版の広告部門「パートナースタジオ」に所属しています。エディター及びクリエイターとして、ネイティブアドの企画・編集・制作を行ったり…。また、コンテンツデザインというチームにも所属していて、こちらではイベントやライブ配信などの新規事業を行っています。
–クライアントへの企画からネイティブアドの執筆をこなし、イベントの運営、更には新規事業まで…目が回ってしまいそうです。
中田さん:でも楽しいですよ!今はコロナの影響でリアルのイベントが減ってきましたが、その代わりにライブ配信が増えました。それに伴うコンテンツの企画、クリエイティブの作製、ディレクションまで行っています。簡単な動画の編集をするときもあります。
—動画の編集まで…!
中田さん:はい、動画の編集は産経デジタルの時代に覚えました。「君はビデオジャーナリストになれ!」って入社時になぜか言われまして。そこでの経験が今に活きています。
—イードを離れたあとも、ずっとメディア業界にいらっしゃいますよね。メディアのどのあたりに魅力を感じてらっしゃるのでしょう?
中田さん:私、高校生のころからずっとこの道を目指していたんですよ。大学もジャーナリズム学科で。
—志したエピソードがあればお聞かせいただけますか?
中田さん:高校生の時、図書室でDAYS JAPANという報道写真の雑誌の1ページにすごく衝撃を受けたんです。そこに映っていたのは、紛争地帯で瓦礫に埋もれて真っ白になった女の子の遺体。紛争が世界で起こっていることはなんとなく知っているつもりでしたが、写真を目の前にすると「私は知らなかったんだ」と衝撃を受けたんです。写真1枚で、世界の惨状を伝えてくれた「メディア」というものにすごく興味を持ちました。
もう一つは授業に時事英語という科目があって、ベトナム戦争について知る機会がありました。ベトナム戦争は、「報道が戦争を終わらせた」と言われています。そのことを知って、報道ってとても重要かつ大事なものなんだなと。そこからメディアの道を進むと決めて、メディア企業を渡り歩いている感じですね。
—中田さんのメディアに対する想いが伝わってきました。就職活動ではやはりメディア企業を志望していたのですか?
中田さん:メディア企業を見ていましたね。ただ、その時はどのメディアに入ればどういう仕事ができるのか?っていうのもイマイチ分かっていなかったんです。大手メディアも選考は受けていたのですが通らず…という状況で。そんな中、「WEBメディアを運営する企業があるぞ」とイードの選考を受けて、ご縁があって入社しました。
でも、実は他社にも内定を頂いていて、どちらを承諾するかものすごく悩んでいたんですよ。大学の教授に相談したら「これからはインターネットメディアが伸びてくるから、(イードは)面白いんじゃない?」と背中を押してもらって、それが決め手になりました。
—教授のおかげですね、ありがとうございます!…中田さんがイードに入社したのが2015年ですね。この頃はどんな業務を担当されていたのですか?
中田さん:IT/エンタメ系メディアのRBB TODAYに配属されて、広告営業を担当していました。ちょうどその頃は、レコメンド型広告「Cynergi Platform」の開発や、DMPを導入してクライアントへのレポートをリッチにしよう!という動きが社内であって、激動の時代でしたね。リサーチャー、エンジニアの垣根を超えて、サービスをゼロイチで開発する経験に非常にやりがいを感じていました。
—様々な事業部を巻き込みながら仕事をされていたと。
中田さん:はい、ここがイードのいいところだと思うのですが、部署間の垣根が低いですよね。「これをやりたい」という想いがあれば、みんなフラットに話を聞いてくれる。新しいことを始めるときのスピード感も、イードを出たからこそ感じる部分でもあります。
—イードは「走りながら考える」文化がありますよね。
中田さん:当時はもうちょっと考えてから動こうよ、と思っていましたけど(笑)。あとは、いい人が多くて、先輩や上司に対しても意見が言いやすい環境でした。最初は営業として配属されましたが、やっぱりどうしても記事が書きたくて。RBB TODAY編集長の小板さんに「記事を書かせて下さい!」ってお願いしたら本当に書かせてくれたんです。
–熱意を持って話をすれば、皆ちゃんと聞いてくれますよね。話は変わって、高校の頃からメディアにどっぷりな中田さんは、「メディアで働く楽しみ」をどういうところに感じていますか?
中田さん:「ジャーナリズム」と「広告」って、一見相反するものに見えますよね。でも、私たちの生活は企業のサービスや製品の積み重ねでできています。企業が変われば社会が変わる。だからこそ、メディアで記事広告を作る上で、ジャーナリズムの精神は重要だと考えています。
ハフポスト日本版ではネイティブアドを担当していますが、例えば、多様性を尊重したり、SDGsの取り組みを伝えたい、というクライアントのお手伝いをしているときにジャーナリズムを推し進めている、と感じています。
ネイティブアド以外の部分では、「ハラスメントって結局は個人の感覚の問題でしょ?」という声に対して、「いや、会社の組織の問題です」とハラスメントへの認識や理解をアップデートするイベントを実施しました。国際女性デーには、「10のデータ」をもとに日本の女性が置かれている状況を議論するライブ配信も行いました。
メディアは報道することが大切な役割ですが、私がメディアでやりたいのは、もう一歩踏み込んだ具体的なアクションをとること。それを実現していくのが、とても楽しいんです。
—中田さんから熱いジャーナリズム魂を感じます。本当に「メディア」を楽しんでおられるのですね。
中田さん:自分はすごく飽き性なんですよ。でも、メディアの仕事は毎日違うことができるし、今はオンラインイベントも増えて伝え方が日々変わってきてますよね。10年後は全く別の伝え方が流行っているかもしれない。それでも大切なことを人に伝えたい、という軸はブレないから、これからどんな変化が起こるか楽しみですね。
–中田さん、本日はありがとうございました!
ジャーナリズム魂あふれる中田さんの熱意と言葉に、イードもコンテンツ作りで出来ることはまだまだあるな、と襟を正される思いでした。イードが運営するメディア業界人向けのニュースサイトMedia Innovationにて、中田さんが執筆する「メディアってオワコンですか?」という連載が開始。イードを離れた後も、こうやって一緒にお仕事出来ることをとても嬉しく感じます。メディア業界の方必見の内容になっておりますので、ぜひ御覧ください!
なぜいい記事を書いてもPVは増えないの?・・・新連載「メディアってオワコンですか?」(第1回)