出会いがあれば別れもある、というのは使い古された言葉ですが、どのような企業にも必ず起こり得ることです。縁あってイードに入社後、自らがより活躍できる新天地を見つけたOB/OGを尋ねる本企画、「イードのソトウチ」。
第四回は、VOYAGE MARKETINGの秋葉友樹さん。イード在籍時にはインサイド、レスポンスの広告営業を担当し、後には自社サイトのリード獲得のために広告運用からバナーの素材にまでなってしまった、「イードの内側」をよく知る秋葉さんに「外から見たイード」、「メディアで働く楽しみ」を伺いました。
※新型コロナウイルスの感染防止に伴うテレワーク実施により、本インタビューはテレビ会議にておこないました。
–秋葉さん、本日はよろしくおねがいします!まずは秋葉さんご自身について教えてください。
秋葉さん:VOYAGE MARKETINGの秋葉です。現在は社外のクライアント向きにデータを活用したビジネスの提案から、導入/実装、実行までトータルでサポートする仕事に携わっています。
イードには2011年に新卒で入社して、その前から内定者インターンとしてe燃費でアルバイトをしていました。「うわぁ、IT企業ってこんな雰囲気なんだ~」って思いながら仕事していましたね(笑)。
入社直後の配属先はインサイドで、もともと入社前から興味があったんです。というのも、選考が進む中で、一読者としてインサイドに訪問したときのジャック広告が衝撃的で…
–いまやイードメディアの定番広告メニューですね。どういった広告だったのですが?
某アクションゲームの主人公がブロックを壊したらインサイドのロゴが登場する、という遊び心あふれる広告でした。インサイドの細かなアイコンもそのアクションゲームの仕様に変わっていて、「ユーザー体験としてとても素敵だ」と思ったのを覚えています。
ですから、インサイドに配属が決まった時は嬉しかったですね。2年ほどインサイドを担当していましたが、その間にGameBusiness.jpが新規に立ち上がったり、Game*SparkもM&Aしたりと刺激的な経験ができました。
その後レスポンスに異動しそこでも広告営業を担当していました。当時意識していたのは「媒体の価値ってどうやったら上がるんだろう?」ということ。色んな数値を見ながら自分の中で仮説を立てて働いていました。
入社して5年目で、姜さん(*1)が部長を勤めていた新規事業開発本部でtoC向けに展開する安心車.jp(*2)と薬剤師ナビ(*3)のリード獲得のために、出稿側として広告代理店とのやりとり、バナーのクリエイティブやランディングページの作成と、それまで全く違う仕事に取り組んでいました。
(*1)現在は、メディア事業副本部長 兼 メディアマーケティング本部長 兼 PF開発本部長
(*2)イードが運営する車の一括査定サイト https://anshinkuruma.jp/lp
(*3)イードが運営する薬剤師の転職支援サービス https://www.yakuzaishi-navi.com/lp/
–キャリアを積むたびに異なることをやられてきたのですね。当時はどういった思いで働かれていたのですか?
「どうせやるなら楽しくやらないと!」というマインドで、企画をクライアントに提案する時は自分も読者も楽しいと思えるようなものを考えましたし、バナーを作るときもどういうクリエイティブだったらユーザーの目をひくだろう?と思考錯誤していましたね。
–どういった企画を実施されたのですか?
思い出深いのは、レスポンスで実施した「電気自動車で炊いたご飯に合う卵を探しに行く」という企画ですね。
–え…?説明頂いてもいいですか…?
はい(笑)。電気自動車ですから、炊飯器とつなぐとお米が炊けるわけです。そして、車と言ったら乗り心地も気になりますよね。卵かけご飯に必要なのは、美味しい卵と醤油。それらを手に入れる過程で自動車のインプレッションもしつつ、「レジャーや災害時にも電気が使える」という電気自動車のメリットを楽しく伝える、という点を意識した企画でした。
参考:電気自動車で炊いたご飯に最高に合う「卵」を探す旅…三菱 アウトランダーPHEV
–筋が通っているようないないような企画ですがとても楽しそうです!バナーも作られていたということですが、どういったものを作ったのでしょうか?
こちらです。
–これは確かに目をひきますね(笑)。思わずクリックしてしまいそうです。
どういったバナーであったらクリックされやすいか?自分を全面に押し出しながらも、ABテストを行っていました。
–秋葉さんの仕事を楽しむ姿勢が伝わってきました(笑)。秋葉さんは、広告営業、広告運用、という似て非なる2つを経験してきましたが、どちらが自分にあっていると思いますか?
広告営業も楽しかったですが、自分は仕組みを作って儲ける、というのが性にあっていたので後者ですね。当時はプログラマティック広告の走りのようなアドネットワークにとても興味があって、自分の試した施策が良くも悪くも数字で出てきて、それを改善するというのが楽しかったです。転職先のVOYAGE MARKETINGでも3年ほどはコンテンツ開発やプログラマティック広告に携わっていたので、イードの経験は今に活きているなぁと思います。
–素敵ですね!話は変わって、イード在籍時の学びがあれば教えて下さい。
自分は営業職としてキャリアをスタートしましたが、そんな中でも編集者、エンジニア、デザイナーといった専門職の方々と一緒になって仕事をすることが多かったんですね。特に編集者の方とは二人三脚でやってきましたから、作り手へのリスペクトはイードで学べたと思っています。
–そうですね、特にイードで営業職に配属となると、編集者とのコミュニケーションは必須ですよね。
イードを退職した今でもそのリスペクト精神は変わっていないです。新しい広告の実装をエンジニアの方にお願いする時に「これやっといて」と丸投げするのでなく、具体的なやり方を考えて相談する、一緒に気持ちよく働くためにどうすればいいか?を考えて行動できているのが財産ですね。
–当たり前のことなんですけど、日々業務をこなしているとリスペクト精神を忘れがちになってしまいますよね。他にはありますか?
学びというよりは、ここがイードのいいところだと思うのですが、自由と責任がセットで語られていたことでしょうか。自由というのは「何でも自分の好きにやっていいよ」ということでなく、やるべきことをしっかりやって信用を得て掴むものかなと。この辺りのチャンスの掴み方や采配も個人に持たされていたように感じます。自身のやる気次第でいくらでも変えられるよね、と。
その結果、熱意を注げる事業を任せてもらえることがある。自身の成果とセットで自由と責任が語られていたのがシンプルに良かったですね。
–自由と責任。これほどイードを表している言葉はないと思います。イード在籍時の思い出深いエピソードはありますか?
これは「自由と責任」に繋がるのですが…一時期、自由を履き違えてしまっていた時がありまして、当時役員の工木さん(*)に「このままでいいと思っているのか?」と本気で怒ってもらえたんです。イードは非常に自由な雰囲気が社内にありますが、当たり前のことをしっかりやることが重要なんだと学びました。
(*)現在は株式会社ギフティの常勤監査役
–おぉ、そんなことが…イードって働き方は個々人に任せていますが、マネージャー層、更に上のレイヤーの人たちもちゃんと見ていますよね。
そうそう。それを指摘してくれる人がいたのはありがたかったですね。
後は、めっちゃ飲んでましたね(笑)。先輩と一緒に花見にいったり、ご自宅にお呼ばれして晩ごはんをご馳走になったり。
–皆仲良しですよね。今でもリモート飲み会が週2~3のペースで開催されています。秋葉さんはメディアの仕事の楽しみはどういったところだと感じていますか?
何かを変える一助になれること、かなと思います。インターネットの情報は玉石混交ですが、その中でも、「いいな、役に立つな」と思えるものは必ずありますよね。そういった情報を届けること、誰かの背中を押せること、この点がメディアの楽しいところじゃないかなと。
–我々の情報で、誰かの役に立てるならこんなに嬉しいことはないですよね。それでは最後の質問です。どういった人ならイードにあうと思いますか?
イードはアニメやゲーム、映画、自動車、教育と様々なジャンルのメディアを運営していますよね。「そのジャンルが好きだ!」という熱量を持つのはもちろん大事ですが、ファン目線で終わるのでなく、ビジネスとしてどう昇華していくのか?この考えを持っている人にはうってつけの環境だと思います。
ぼんやりと「広告業界に入りたい」、「このジャンルが好き」、というだけではイードには合わないのかな、と思いますね。
イードだから出来るビジネスを信じれる、そういった方がイードには合うのではないでしょうか。
–秋葉さん、ありがとうございました!
秋葉さんが語った「自由と責任」。今でもこの考えはイードに根付いています。イードのメディア事業本部ではコロナ禍以前よりリモートワークが行われており、「自身の働き方は自身で選ぶ」ことが出来る環境でした。これは、「自分が選んだ働き方で最大の成果を発揮してくださいね」というメッセージなのです。各々の自主性を重んじるイードの社風ならではですが、自立ができない、という方には非常に厳しい環境となるでしょう。このインタビューを通じて、筆者も改めてイードの文化を言語化できたな、と感じています。秋葉さん、ありがとうございました!
◆第1回 イードはチャレンジし続けられる会社…ママリ編集長・湯浅氏
◆第2回 一歩踏み込んだアクションをとること、それが私の「メディア」…ハフポスト日本版・中田さん
◆第3回 「編集」という仕事のフレームワークが独自の武器に…インテグレート・北島友和さん