【イードのソトウチ】根っこをブラさずに好きなものを広めていく…ヤフー麻生裕一さんインタビュー

出会いがあれば別れもある、というのは使い古された言葉ですが、どのような企業にも必ず起こり得ることです。縁あってイードに入社後、自らがより活躍できる新天地を見つけたOB/OGを尋ねる本企画、「イードのソトウチ」。

第7回は、農業からITへとジョブチェンジを行い、今ではこの2つの軸で人生を楽しむ「イードの内側」をよく知る麻生さんに「外から見たイード」を伺いました。

※新型コロナウイルスの感染防止に伴うテレワーク実施により、本インタビューはテレビ会議にておこないました。

–麻生さん、本日はよろしくおねがいします!まずは麻生さんご自身について教えてください。

イードを2015年に卒業した麻生です。イード卒業後も変わらずインターネットメディアに関わっています。現在はヤフー株式会社に務めていて、Yahoo! Japanのトップページの企画に携わっています。広告視点だけではなく、メディア視点も交えてユーザーにどのような体験をしてもらうか?を企画・実行するのがお仕事です。

–責任重大なお仕事ですね…!今はIT企業にお勤めですが、もともと麻生さんは別業界出身で、秋葉さん(*)からの紹介でイードに入社したとお聞きしています。そのあたりのお話も伺えますでしょうか?

はい、もともと農業の卸売で働いていました。BtoBで白米の販売を行っていたので、直接お米を食べてくれる人の顔を見る機会が無かったんですね。その後、勤めていた企業でEC(eコマース)の立ち上げをすることになり、その担当をすることになりまして。実際に立ち上げてみて驚いたのが、「直接お客さんの声を聞けるんだ、直接商品を届けることができるんだ!」ということです。これをきっかけに「これからはインターネットでモノが売れる時代がくるな…」と思い、未経験だったのですが、26歳のときにIT業界への転職を決意しました。

30代に向けてチャレンジしたい!ということで、学生時代からの友人である秋葉さんに相談し、イードを紹介してもらった…というのがイード入社の経緯ですね。

(*)イードのソトウチ第4回でインタビューした秋葉さん 

–農業からIT!確かにチャレンジングです。IT企業は様々ありますが、なぜイードを選ばれたのですか?

正直、秋葉さんの紹介ということもありイードしか受けていなかったんです(笑)。ですが、ECを専業とする企業に行かずに、インターネットメディアを運営する企業に入社できたのはすごく良かったと思っています。ECはどうしてもコンバージョンをいかに上げるか…というところ終始しがちです。これと比べて、イードのようなメディアを扱っている企業で広告やマーケティングを勉強できたことはすごく大きかったと振り返っています。

–業界未経験からイードに入社されていかがでしたか?

最初はScanNetSecurityの営業として配属されましたが…めちゃめちゃ大変でした!(笑)。ただでさえ初めてのインターネット業界、その中でも技術的にエッジが立ったセキュリティ分野。自分の力が足りなかったのと、業界が特徴的だったこともあり当初はかなり苦労しました。今となってはいい思い出です。

麻生さんが担当していたScanNetSecurity。今年で創刊21年を迎える日本初のサイバーセキュリティ専門ニュースサイト。イード運営メディアのなかでもエッジがたっています。

–未経験から、知識を身につけるために行ったことはありますか?

社内の情報システム部の方と親しくさせていただいて、「どういった業務を行っているのですか?」と聞いたり、他の営業メンバーのアポに同行させてもらったり…自分で勉強もしましたが、周りから手助けをしてもらいながら、なんとか食らいついていった感じです。

–周囲の手助けがあったと。今の仕事で活かされているイードの学びはありますか?

これはイードのOB/OGであれば口を揃えて言うと思いますが、PLを見ながら仕事ができたことですね。イードの文化である「数字を意識して責任持って仕事をしよう」という考えは、今の仕事でも活きています。

また、東証マザーズへの上場を経験できたことも大きく印象に残っています。一生の内に一度あるかないかの事ですし、その後の自分のキャリアとしても胸を張れる部分かなと。

もう一つ、当時の上司であった高橋さんから言われた「5,000までは手動だ」という教えは今でも胸に刻んでいます。

–5,000までは手動?詳しくお聞かせいただけますか?

僕はこの言葉を、華やかに見えるIT業界でも、実直に手を動かし愚直に働くことを忘れてはいけないよ、というふうに受け止めています。例えば、EXCELにデータをまとめる、リストから特定のデータを抜き取る、ということをするとき、IT企業に勤めているとエンジニアさんに頼んだり関数を使ったりを考えますよね。ITだからこそ効率化はとても大事です。一方で、どうするのがベストかをしっかりと考える、効果に結びつくことを一番に考えるべきで、楽をすること一番に考えちゃいけないよ、ということですね。

–5,000までは手動、自分も肝に命じます。イードでの思い出深いエピソードはありますか?

さきほどはScanNetSecurityで苦労した…と話しましたが、同じぐらい楽しく仕事をさせてもらいました。イードは営業であっても、案件があれば自身の裁量内で海外出張などができますよね。情報セキュリティの国際的カンファレンス「Black Hat」や「RSA Conference」に参加できたのは思い出深いです。

英語がわからないながらも飛び込んでいくと現地の人たちも「こいつらわざわざ日本から来たのか?!クレイジーだ!」という反応で歓迎してくれたんです。難しい業界ではありましたが、入り込んだ先の絆というのは強く感じました。

いまだにその時にお世話になった方々とはお付き合いもあって、年に数回は飲みに行く関係です。

麻生さんが現地で撮影した一枚。イードでは自身の裁量で海外出張も可能ですが、英語ができないのに飛び込む麻生さんもなかなか肝が座っています。

–素敵ですね!農業からIT、とチャレンジをしてきた麻生さんですが、次にチャレンジしたいことはありますか?

自分の根っこには農業があって…自分が食べて美味しいなと思ったものを人に食べてもらいたい…という純粋な気持ちがあります。

今もコンサル的に地元名産品のECのお手伝いをしているんです。生産者や製造元の方々はITリテラシーが高くない方もいらっしゃいますが、とても良いものを作られています。それを全国に届ける一助になれば…という気持ちで、イードやヤフーで培ったマーケティングの知識を活かして「自分の好きな物を広めていく」ということをやっていきたいですね。

–これまでのIT企業での経験が、麻生さんの根っこである農業に活かされるというのは、人生としてとても美しいと感じます。

現在所属しているヤフーはとても大きな企業なので、自分たちの企画したものが、例えば一千万人単位の人に使っていただける、ということに非常にやりがいを感じます。

一方、小さくても自分が大好きなものを世の中に広めていく、ということにも情熱を持っています。大きな組織を通じて日本の社会や経済へ貢献しつつ、自分の根っこはブラさずに、この2つの軸を大切に生きていきたいと思っています。

–素敵です!では最後の質問です。どんな方であればイードで活躍できると思いますか?

根っこにやりたいことがしっかりある人が合っているんじゃないかなと思います。「インターネットが好き」でも「ゲームが好き」でも、何か他にやりたいことがあるでもいい。イードは専門媒体が多いですから、仕事でやり取りをする人も、そのジャンルのプロである場合が多いですよね。そうなると「自分はこの道を行くんだ」というものが決まっていると、ジャンルが違っても学びが多く、楽しめる場所なのではいかなと。

心に炎が灯っている人は、周囲も応援しくれる文化がありますから、イードのメディアで取り扱っていないジャンルでも信念を貫ける人であれば、活躍できる環境なのではないでしょうか。

–ありがとうございました!


未経験からIT業界にチャレンジし、その経験が自身の根っこにある農業という「好きなものを広めていく」力に変えている麻生さん。皆さんの中にも「自分の好きなものを多くの人に知ってほしい」という欲求はあるのではないでしょうか。

代表の宮川はよく「仕事を人生最大の遊びに」という言葉を口にします。これは「夢中になれることに取り組むことで最良のパフォーマンスを発揮でき、成果が挙げられる」という意味が込められており、インタビューを通して今の麻生さんはこの状態にあるのかな、と感じました。

イードでの経験が、いまの麻生さんを形作ったと思うとなんだか嬉しいです!麻生さん、ありがとうございました!

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