出会いがあれば別れもある、というのは使い古された言葉ですが、どのような企業にも必ず起こり得ることです。縁あってイードに入社後、自らがより活躍できる新天地を見つけたOB/OGを尋ねる本企画、「イードのソトウチ」。
第6回は、複数の企業を経営するCEOとして様々な事業を手掛ける片山幸弥さん。2015年にイードに入社し、エンジニアとしてビジネス開発に携わり、その後はベンチャー企業の立ち上げに参画、ご自身で会社も経営、「イードの内側」をよく知る片山さんに「外から見たイード」を伺いました。
※新型コロナウイルスの感染防止に伴うテレワーク実施により、本インタビューはテレビ会議にておこないました。
–片山さん、本日はよろしくおねがいします!まずは片山さんご自身について教えてください。
片山です。現在は複数会社を経営しています。と言っても、各社5人未満の小規模な会社ではありますが。広告代理業、WEBシステムやモバイルアプリ開発の受託をメインの事業としています。他にはITコンサルなども行っております。
–開発も行っているのですね。もともとエンジニアであった片山さんの本領が発揮できる分野ですね。
そうですね。もう自分ではコードを書いていなくて、そこはパートナーにお願いしております。僕は開発がメインというよりも、クライアントのビジネスに沿った新規事業の提案…コンサル的な立ち位置で動いていますね。その中で、「開発もできますよ」と提案させていただいて「作ったら終わり」でなく「その後も伴走する」というパターンが多いです。
IT業界ばかりでなく、ありがたいことに様々な業界の方からお声がけいただいています。
–幅広く事業を展開し、様々な業界のお手伝いをしていると。そして、今はイードのMedia Innovationもサポートしてくれていますよね?どういった経緯でお手伝いすることになったのですか?
自分から土本さん(*)に声をかけさせていただいたのがきっかけですね。「独立しました、なにかお手伝い出来ることはないですか?」と。ちょうどそのタイミングでMedia Innovation立ち上げの構想が土本さんの中にあって、パートナーを探されていた時期だったのです。タイミングが良かったとは言え、まさか独立してからこんなにも早くイードの仕事をお手伝いするとは思っていませんでした(笑)。
Media Innovationでは、どの指標を見てコンテンツを作るのか、有料会員増加のための打ち手といったKPIの設計やイベント開催時のオペレーションなど、裏方として支援をさせていただいております。
(*)メディア事業本部長。メディア業界人向けのメディアMedia Innovationの発起人でもある。
–片山さんの活躍ぶりを見ると、どういった企業にでも就職できたのでは…?と思うのですが、なぜイードに入社されたのですか?
就活の軸が「たくさんの事業、もしくはサービスの運営をしている会社」で、就活中はリクルートやYahoo!といった企業を受けておりました。当時の自分には、少ない人数で多くのサービスを運営しているイードが非常に魅力的に見えたのですね。裁量権が非常に大きそうだな、と。エンジニアの先輩方の技術力の高さも、決め手の一つでした。そもそもメディアが好きだったというのもあります。
–イードは若手でも成果を出していれば、任せる文化がありますよね。
入社当時は、リセマム、ScanNetSecurity、インサイド、Game*Sparkといった主要メディアのリニューアル、Spider7の立ち上げという大きなプロジェクトを任せてもらいましたね。リニューアルの際は、サイトの更新を一度ストップしないといけないですし、リニューアル直後はバグも出やすい。1年目から緊張感を持って仕事をすることができました。
2年目はエンジニアの枠を飛び越えて、データを用いたビジネス開発に携わりました。技術的な側面から実行可能かを見つつ、ビジネスを作る、といったような。イードのプレスリリースのページを見返していたのですが、「イード パブリッシャートレーディングデスク」、「プレイアブル・アド(アドバゲーム)」、「イード・アクセスログリサーチ」、「運用型エディトリアルアド」、この辺りは自分が関わっていますね。
–かなりの数のビジネスの立ち上げに携わっていたのですね。いまは会社も経営している片山さんですが、外から見たイードの特徴的な部分はありますか?
どんな企業にも、マネージャーとプレイヤーがいますよね。プレイヤーは、マネージャーが定めた範囲内で最大限の成果をあげる、というのが一般的。イードでは、2年目の僕でも部署の垣根を超えた業務ができた。これは僕の中では、予想通りの裁量権があったな、と今振り返ってみても思います。
エンジニアがビジネス開発に携わってもいいし、営業が編集者のように記事の企画を考えていい。自分なりの成果を出していれば「君は〇〇だから××しては駄目だ」という縛りがなく、役割の肩書以上の仕事をできる人が多かったというのが、転職してから感じるイードの特徴ですね。
あとは、人数が少ない中でいかに最大限の成果を出すか、という意識を持っている方々が多いですよね。イードではライターさんを社内に置かず、社外でネットワークを形成していますよね。このスタイルは、少人数だからこそ発想できたものだと思っています。
–看板メディアのRBB TODAYですら、かなり少人数ですしね。少人数だからこその発想で体制を組み、成長しているメディアもあります。イードの経験が、今の片山さんに活きている部分はありますか?
イードはIT企業ですが、もともとは雑誌出身の方もいらっしゃいますし、必ずしも皆さんがエンジニアやIT用語を理解できるわけではありません。そういった方々との会話の仕方、共通言語を意識しながら仕事を進められたのは、今のコンサル事業ではかなり活きていますね。
あとは、先程のライターさんの外部ネットワークの件もありますが、イードはパートナーの方とお仕事することが多いですよね。必ずしも同じ企業の社員でなくても、綺麗にビジネスを回すことができる、というのは立証されていましたから、今の僕の会社でも同じ形で仕事を進めることができています。
そういった意味では、自分の今の基礎はイードで作られたなと思います。
–片山さんの今の会社でも、イード流が通じているのですね!最後に、こういった方だったらイードに合うのでは?というのをお聞かせください。
お酒が飲める人ですかね(笑)。半分冗談ではありますが、自分の会社を経営していて色んな方々とお付き合いすることがありますが、これは本質だな、とも思っていて。お酒自体が飲める・飲めないが大切、ということでなく、よく仕事をし、よく遊ぶ。このバイタリティが大切なのだと思います。
あとは、コミュケーションを取ることを厭わない人ですかね。事業部の垣根を超えて仕事をする、ということは、人を巻き込みながら仕事をしなければなりません。そうすると、他部署の人がどういった仕事をしているか、自分の部署とどうシナジーを生み出せるのか?これは対話なくしては生まれてきません。目の前の自分の仕事もこなしつつ、興味を持って他部署のやっていることを覗いてみる。イードは色んな事業を展開していますから、そういった人が合うのではないでしょうか。
–片山さん、ありがとうございました。
今のご自身の基礎はイードで作られた、という片山さん。独立後にも社会に通じるスキルがイードで学べた、というのは今現在、イードに所属する身としては非常に嬉しく思います。
イードのソトウチで過去にインタビューをしてきた方々に思い出深いエピソードを聞くと「よく飲んでいた」と答える方が多く、よく飲み会がある会社、と聞くとなにやらブラック企業感がありますが、片山さんの言う通り、よく仕事をしよく遊ぶ、というメリハリの付け方がデキるビジネスマンには必要なのではないでしょうか…と良い風にまとめて編集後記とさせていただきます。
◆第1回 イードはチャレンジし続けられる会社…ママリ編集長・湯浅氏
◆第2回 一歩踏み込んだアクションをとること、それが私の「メディア」…ハフポスト日本版・中田さん
◆第3回 「編集」という仕事のフレームワークが独自の武器に…インテグレート・北島友和さん
◆第4回 自由と責任は表裏一体…VOYAGE MARKETING・秋葉友樹さんインタビュー
◆第5回 コンテンツは課題解決の手段、ビジネスに直結する…エネチェンジ・三友直樹さんインタビュー